2011年2月26日土曜日

医師のための確定申告

大学病院非常勤の医師は、アルバイトで生計を立てなくてはならないので、10カ所以上の施設から収入を得ることになり、確定申告が必要である。しかも異動が多く、「3月までは常勤医だったので、年金や保険が切り替わったし、退職所得もある」、とか、「総説論文の原稿料や専門学校の講師料ももらってた」など、納税が複雑だ。今年は私も苦労したので、メモも兼ねて書き留めておく。配当や家賃収入などがない、平均的な若手貧乏勤務医向けのメモである。


●基礎知識

「給与」または「報酬」として支払われたものは、「給与所得」であり、給与所得控除がなされる代わりに経費はつけられない。

「謝礼」または「謝金」として支払われたものは、「雑所得」であり、経費を差し引くことができる。

「退職金」として支払われたものは、「退職所得」であり、分離課税で退職所得控除により優遇される。

「給与所得」や「雑所得」は総合課税で、総収入を元に税率と税額が決まる。
※株式譲渡などは雑所得でも申告分離課税だが、若手貧乏勤務医向けのメモなので無視
「退職所得」は、若手の勤務医であればほぼ非課税である。

若手アルバイト勤務医は800万円から1000万円程度の収入となるだろうが、だいたい10%程度しか源泉徴収されていないので、申告して差額(だいたい数10万円)を納付しなければ、追徴課税される。ばれないこともあるようだが、勤務先に監査が入るとアウトで、リスクは源泉徴収票の枚数に比例する。


●ポイント
「雑所得」は経費を差し引くことができるので、医学書や文房具、パソコンソフト、旅費などを経費として申告する。総合課税なので赤字になったらウハウハ。


●用意するもの
・源泉徴収票
  ※少額の謝礼などは発行されない場合がある
・社会保険料等控除証明書
国民年金支払い証明書
国民健康保険料支払い証明書
任意継続健康保険支払い証明書(原則として不要だが求められる場合がある)
   途中まで常勤医だった場合の共済掛金などは、その施設の源泉徴収票に記載があり、
   「源泉徴収票のとおり」と記載できる
・生命保険料等控除証明書(加入していれば)
  ※医賠責保険は控除されない
・雑所得の経費
  明細不要であるが、高額の場合は問い合わせがくることがあり、
  簡単なものをexcelシートでまとめておくとよい。
  領収書も提出は不要だが、万が一にも調べられることを考えて保存が望ましい。


●確定申告の手続き
不完全電子申告が最も楽である。
eTaxのウェブアプリで上記項目を順に入力し、紙に印刷し、添付書類を添えて、税務署に持参するのがよい。
完全ないわゆる電子申告は電子証明の取得手続きが面倒で、修正のやりとりも面倒であった。
その場で訂正してくれるので、郵送よりは持参がオススメだ。


・総合課税
「収入」=「給与」+「雑所得」など
「所得」=「収入」-「給与所得控除」-「雑所得の経費」など
「課税所得」=「所得」-「社会保険料控除」-「基礎控除」など
※なんだかんだでけっこう引かれるので、実際には収入が1000万円だと所得税は80万円ぐらいになる。

・分離課税
「退職所得」のみ分離課税の別紙になるので注意



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