●基礎知識
「給与」または「報酬」として支払われたものは、「給与所得」であり、給与所得控除がなされる代わりに経費はつけられない。
「謝礼」または「謝金」として支払われたものは、「雑所得」であり、経費を差し引くことができる。
「退職金」として支払われたものは、「退職所得」であり、分離課税で退職所得控除により優遇される。
「給与所得」や「雑所得」は総合課税で、総収入を元に税率と税額が決まる。
※株式譲渡などは雑所得でも申告分離課税だが、若手貧乏勤務医向けのメモなので無視
「退職所得」は、若手の勤務医であればほぼ非課税である。
若手アルバイト勤務医は800万円から1000万円程度の収入となるだろうが、だいたい10%程度しか源泉徴収されていないので、申告して差額(だいたい数10万円)を納付しなければ、追徴課税される。ばれないこともあるようだが、勤務先に監査が入るとアウトで、リスクは源泉徴収票の枚数に比例する。
●ポイント
「雑所得」は経費を差し引くことができるので、医学書や文房具、パソコンソフト、旅費などを経費として申告する。総合課税なので赤字になったらウハウハ。
●用意するもの
・源泉徴収票
※少額の謝礼などは発行されない場合がある
・社会保険料等控除証明書
国民年金支払い証明書
国民健康保険料支払い証明書
任意継続健康保険支払い証明書(原則として不要だが求められる場合がある)
途中まで常勤医だった場合の共済掛金などは、その施設の源泉徴収票に記載があり、
「源泉徴収票のとおり」と記載できる
・生命保険料等控除証明書(加入していれば)
※医賠責保険は控除されない
・雑所得の経費
明細不要であるが、高額の場合は問い合わせがくることがあり、
簡単なものをexcelシートでまとめておくとよい。
領収書も提出は不要だが、万が一にも調べられることを考えて保存が望ましい。
●確定申告の手続き
不完全電子申告が最も楽である。
eTaxのウェブアプリで上記項目を順に入力し、紙に印刷し、添付書類を添えて、税務署に持参するのがよい。
完全ないわゆる電子申告は電子証明の取得手続きが面倒で、修正のやりとりも面倒であった。
その場で訂正してくれるので、郵送よりは持参がオススメだ。
・総合課税
「収入」=「給与」+「雑所得」など
「所得」=「収入」-「給与所得控除」-「雑所得の経費」など
「課税所得」=「所得」-「社会保険料控除」-「基礎控除」など
※なんだかんだでけっこう引かれるので、実際には収入が1000万円だと所得税は80万円ぐらいになる。
・分離課税
「退職所得」のみ分離課税の別紙になるので注意
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