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iPadが病理医の仕事を変えている。
病理のルーチンワークで使用する教科書は、
きわめて分厚く、数が多い。
必須レベルで10kg、推奨レベルで100kg越えだ。
マイナー科だから内科の教科書ように電子版もない。
教科書を裁断してScanSnapで電子化し、
iPadで読めば、わずか0.7kgでよく、
OCRで検索も可能である。
iPadは病理医の仕事を劇的に効率的なものにした。
だが、待って欲しい。
PDFを読むだけなら、PCでも良いはずである。
iPadで出来ることは全てPCで実現可能だし、
PCで出来てiPadで出来ないことは沢山ある。
だが、PCで電子化した教科書を読む気にはとてもなれない。
iPadの方が "ほんの少しだけ" 使いやすいからである。
この "ほんの少しの使いやすさ" が "その本質" を超えて、
最前面に主張してくるということを、
私はiPhoneとiPadで思い知った。
"ほんの少しの利便性" は、サービスの利用者にとって、
簡単に "その本質" を超えてしまう。
患者さんにとって、"真に勤勉で腕が良い医者" よりも、
"ちょっと親切な医者" が "いい医者" であることが、
(肯定するわけではないが)至極必然であるということだ。
きっと全ての業界において、同僚や取引相手に対して、
"親切丁寧で頼みやすい"、"ひとあたりがよい"、ことは、
自身の市場価値を高めることに、最も鋭敏に寄与する。
知性や勤勉さや創造性や処理速度よりも、
コミュニケーション能力が大切だということだ。
そういう社会は、発達障害のひとを排除し、
うつ病による自殺を招く危険な社会である。
大どんでん返しの展開、いかがでしたでしょうか。
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